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芸術系MEMO。読書したり観劇したり創作したり撮影したり哲学したり。ネットの辺境を漂いながら考察する無駄のかたまり。

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    東日本を襲ったあの地震前日の夜、私は自由劇場に足を運んでいた。
    そう、オンディーヌ初日だ。
    初日とはいえ自由劇場に広がるあまりにも濃く重い空気に魅了され、
    その日のうちに友人を誘い次の観劇の為のチケットを手配した。
    それが千秋楽前日。
    地震による払い戻し期間は3月末迄だからどんな理由であれ4月以降のチケットを払戻すことは出来ないし、それ以前に観劇を自粛する気も無かった。観劇に行く理由も行かない理由もそれぞれ人の数以上、それはもう星の数ほど上げることが出来るだろう。
    決して明るい内容の舞台では無かったけれど、それでも私はあの日以前の世界を取り戻して前に進む意味でも、友人と会い観劇をしたかった。

    私は、ここで笑い、ここで怒り、ここで泣き、ここで楽しみ、ここで暮らしている。
    どこかに別の世界に行く予定は無い。
    ここで生きることを選択している。

    不謹慎だと言われようと私は私の生活をして生きていく。
    勿論、今回のことについて何もしないつもりは無い。
    日々起こる余震や計画停電で真っ暗で動けなくなった街や自宅の部屋中で
    恐怖や自分の小ささに涙する事もある。
    節電も募金もボランティアもその他何もかも自分が出来る範囲で出来ることをすればいい。
    この先ずっとこの国で生きていくために。
    私が幸せだから、その幸せをお裾分け。幸せの連鎖。
    それが日本人の本質的に欠けているボランティア精神なんだと思う。

    WEBの片隅にひっそりとへばり付く見る人も少ないBLOGで
    長々と言訳を述べたところで全く意味はありませんね。

    すでに今回の東京公演は千秋楽を迎えていますので
    いつもの如く毒にも為にもならない感想は収納しておきます。
    初日は堅いなりに満足したのですが、
    千秋楽前日は逆に気になる変化や野村さんの声がカスカスで特に叫び声に迫力がなく
    席は埋まってたものの半数以上はリルクートスーツを着た導入?だったせいもあり
    少し不満が残る観劇となりました。
    拙い観劇感想とあらすじ等は下↓の方からクリックでどうぞ。


    ■ 2011年4月1日マチネ『オンディーヌ』 (自由劇場) 

    オンディーヌ : 野村玲子
    騎士ハンス  : 田邊真也
    水界の王   : 味方隆司
    ベルタ    : 坂本里咲
    ユージェニー : 斉藤昭子
    オーギュスト : 維田修二
    王妃イゾルデ : 大橋伸予
    王      : 山口嘉三
    ベルトラム  : 渡久山 慶
    侍従     : 青羽 剛
    ウルリッヒ  : 影山 徹
    裁判官1   : 岡本隆生
    裁判官2/劇場支配人 : 神保幸由
    詩人     : 中村 伝
    マトー    : 片山将司 
    サランボー  : 平福知夏
    皿洗いの娘  : 山本貴永

    【男性アンサンブル】
    北山雄一郎
    田島康成(劇団昴)

    【女性アンサンブル】
    団 こと葉
    智川ちえみ
    豊田早季
    服部ゆう
    大原 麗
    時枝里好
    観月さら
    染谷沙絵子
    高野 唯
    桜野あら
    奥平光紀
    小林由希子

    ↓↓↓↓↓随分前の感想になってしまいますがクリックでどうぞ。

    オンディーヌって人魚姫の原型でしょう? と友人の母はおっしゃった。
    正しくは知らないがヨーロッパに広がる古い物語が元だと思われる
    異種族の少女が初めてあった人間男の人を運命の人と思い込み
    その恋をを元にした命に関わる重大な契約をする。
    紆余曲折を経て物語は別れという悲劇として幕を閉じるというのが主な共通点。

    劇団四季ではジロドゥの戯曲を元にした美しい台詞と透明で異質な空気感、
    トロイの木馬等の大掛かりな舞台装置が特徴になっています。
    ジロドゥの戯曲の成り立ちや構成等詳しいことについては、
    こちらの解説を参考すると楽しめますが、観劇前の方は読まれない方が良いかもしれません。
    かなり読みやすく1/3が解説となっていて物語をより深く知ることが出来ますが芸術性は薄いです。






    以下のあらすじは四季の観劇から感じた解釈と本の解釈を自分なりに再消化したものです。
    四季版には浅利氏の演出が加えられているため多少の解釈差があります。
    その間もしくは好きな方の演出に沿った解釈になります。
    観劇から時間が経っているため多少の記憶違いがあるかもしれませんが
    戯曲を元にして記事を書いた為それほど大きな間違いはありません。


    一幕(オーギュストの家)

    1場~2場

    森深い湖の畔に住む年老いた漁師のあばら屋。
    外は闇と雨が踊り狂い平和なのは囲炉裏に火がくべられた家の中だけ。
    しかし老夫婦の養女であるオンディーヌはまだ戻らない。
    夫オーギュストは養女の不思議さについて語り始めるが妻のユージェニーはそれを窘める。
    養娘への愛というより、ある種恐怖や畏怖すら感じる。
    そこに遍歴の騎士ハンスが一夜の宿を求め訪ねる。
    もう1週間も人と話していないというハンスは貪るように話し始めた。
    瞳に砂金のような欠片があるというヴィオラントのこと、自身の婚約者のベルタのこと。
    突然扉があき、オンディーヌが現れる。
    「きれいなひと……」と。


    ここでようやくタイトルロールであるヒロインの登場。
    しかし物語の中でオンディーヌの不条理さや不気味さばかりが語られている
    道化であるハンスとは逆だ。
    そして通常の物語であればヒロインに対し向けられる「美しい」という形容詞は
    ヒロインから道化に向かって告げられる。
    この違和感が伝わるだろうか?



    3場~4場

    ボーイミーツガール。物語が動き出す。
    オンディーヌは挨拶も無しにさざ波に様にとめどなくハンスの美しさを称える。
    オーギュストはオンディーヌを咎めるが彼女には届かない。
    そこにユージェニーがハンスが所望した鱒のゆで上げを持って居間に戻る。
    オンディーヌは鱒を茹で殺したことに怒り一転ハンスを獣と罵り
    ハンスの前に出されたそれを窓の外に放り捨てる。
    人は嘘つきであり、綺麗な人は醜く、勇気がある人は臆病で
    自分はそれに耐えられないとオンディーヌは言い放ち
    外に居るという人間嫌いに人に話を聞きに行くと扉の外へ出て行こうとする。
    ハンスはその背中に「そいつらは、君を好きになるだろう」と告げる。
    オンディーヌは上半身で振り返り再度ハンスに尋ねた後「大嫌い」と言い放ち外へと消える。
    オーギュストは養女の非礼を詫びる。
    ハンスはオンディーヌの指摘の正しさを肯定しながらも怒りを伝え
    騎士として振舞い彼女の言葉を否定しようとする。


    全く持って怒涛の不可解な展開だ。
    オンディーヌとその他の人々との会話はほとんで成立していないのに
    物語はオンディーヌを中心に動き出し、意味の繋がらない会話にいつの間にか集中してしまう。
    この意味不明な会話のカラクリは2幕で語られることになるので後述する。
    ハンスが「その者たちはお前が好きだろう」と告げるとオンディーヌは聞き直した後怒る。
    これはハンスはオンディーヌが指摘してみせた通り取るに足らない小さな人間で
    物語の主人公に足り得ない道化であるということを示していると同時に
    オンディーヌが捕らえられた瞬間でもある。



    ここまでが導入部。オンディーヌについて興味を持ってもらう部分になる。
    ここからどうして愛の物語として進んでいく。
    その起点たるエピソードはドラマティックではあるけれど
    不可解でその理由やカラクリは次幕以降で語られ
    1幕では全ての者はオンディーヌに飲みこまれていく。
    オンディーヌという舞台は3幕形式で語られるが、
    1幕は全てオンディーヌの為に使われている。
    にも関わらず彼女を褒め称えらることは無い。

    1幕はまだ続くが長くなりすぎてしまったので続きはまた後日。
    読んでくださってありがとう!

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