芸術系MEMO。読書したり観劇したり創作したり撮影したり哲学したり。ネットの辺境を漂いながら考察する無駄のかたまり。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
帝劇年末公演モーツァルト!を観劇。11/21昼公演 2階席中央。キャストは井上ヴォル+涼風男爵夫人。勿論、涼風真世目当てですヨ。えっへん!!かなり重症だと自覚したので開き直って来年の観劇は涼風さんを追いかけようと思います。http://www.tohostage.com/club7/index.html奇跡の子、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。一人の個人ヴォルフガングと彼だけが見える才能の化身の神童アマデザルツブルクの宮廷楽師の子として生まれた彼がウィーンで活躍する愛と成功と挫折の生涯を描いた物語。冒険活劇でも、単純なラヴストーリーでもありませんが人によってさまざまな見方が出来る演劇が好きな方ならそこそこ楽しめる物語です。初見ですが、感じたことなどをつらつらと。ヴォルフガング 井上芳雄ミュージカル界のプリンス。別に黄色い声を上げるような美形ではない。ヒドイwww清く正しく美しく音符を歌う。そこにロックの精神は無い。前半のロック調楽曲「残酷な人生」との相性は最悪、歌も演技も全て堅い印象。せめて最後の音は伸ばして余韻を持たせてくれないだろうか?巧いが為に似合わない。プリンスの雰囲気が役の妨げとなる。後半は多少健全な生活になったせいか、ロックな曲がないせいか前半ほどの違和感は無くなる。恋人コンスタンツェ役の島袋寛子とのハーモニーは最悪の相性。そのせい二人のラヴストリーには感情移入出来なかった。もともとモーツアルトが惚れたのは姉であって、妹は所詮代用品と考えることも出来る。コロレド大司教との対決も印象に薄いのは演出のせいか私が男爵夫人ばかり見ていたせいなのか?(苦笑)最後の狂気のシーンは良かった。『レクイエム』の謎依頼人は宮廷風(?)なのでサリエリという解釈でしょうか?きっと役が似合わないだけで他の舞台ならもっと素敵なんだろうなあ。ヴォルの楽曲は分かりやすくて好きなので友人お勧めの中川版で観てみたかった。うん。中川君の方が似合うのは納得。松たか子可愛いなぁ。これならラヴストーリーとして観れる。やはり製作発表を見る限りヴォルフガングは山崎君の方が会っているようですね。hiroともマシに聞こえます。これから見る方にはそちらをオススメしたい。アマデ 坂口湧久モーツアルトの才能の象徴。ずっとヴォルガングとともにあり、彼に苦言を呈したりするがセリフは無い。それでも感情を感じるのは巧い子役だからなのだろう。トコトコ歩く姿がとても可愛いかった。ヴォルフガングが『影から自由になりたい』とう願うのは才能の化身アマデではなくそれをヴォルフガングの中に作ったレオポルドのことであると思うのです。アマデとヴォルフガングは時に励まし認め、向き合い最終的に戦います。父の死後、ヴォルフガング後悔と焦燥感で満たされ、自己の崩壊を引き起こす。悪妻コンスタンツェの言葉は届かない。そして、死してなおアマデはヴォルフガングに寄り添います。コンスタンツェ 島袋寛子(SPEED)大根役者の第一声は、観客を奈落の底に叩き落とす抜群の破壊力を持つ。クラッシャーヒロイン枠恐ろしい。新妻聖子とは言わないがせめて初代の松たか子で観たかった。J-POPの懐かしいあの下手な歌そのまま。進歩を感じられないんですが何してたの?。全てが舞台と調和を崩す異質な存在。他の方とのデュエットは過去最悪。ソロの『ダンスはやめられない』のみ聞ける。しかしミュージカルソングでも演技でもない。歌手から抜けられない。全く役が見えてこないので感情移入しようも無い。『愛していれば分かり合える』のデュエットも聞くに堪えませんし、寧ろ私の記憶から綺麗さっぱり消去されていますから、ラヴストーリーとして観るのは諦めましょう。華もありませんからむしろ存在を無視しても鑑賞に全く支障はないです。カーテンコールがヴァルトシュテッテン男爵夫人の後なのですが明らかに拍手が半減していて苦笑い。あれはかなり可哀相だが実力が無いのだから仕方ない。次回公演時にはキャスト変更して頂きたい。コンスタンツェがこれ程の人↓ならラヴストーリーとして観られただろうに・・・。残念極まりない。なんという損失!本当にラヴストーリー分の記憶ががカットされていたのは↓を観て実感。ああ、こんなシーンあったわ確かwwwww hiro観賞は私にとってそうとうの苦行だったようです。ナンネール(モーツアルトの姉) 高橋由美子やだっ、由美子超可愛い。可愛すぎるじゃないか。ハマリ役。基本的に弟大好き姉ちゃん。演技も歌も文句なく巧い。弟の才能はきっと幸せだった幼き日の象徴なのだろう。だからずっと応援し続けた。プリンスとプリンセス。過去から進めず、我慢し待ち続け夢を見続けた。父の死をきっかけに、幼き日の光景は蘇らず夢は叶わないことをやっとく気づき夢から出て行った、夢を叶えてくれなかった弟を怨む。弟を可愛がったり、夢を観ながら耐え忍んだり、父との息が詰まるような借金生活の中自分の結婚資金を弟につぎ込まれ憤ったりしても、弟が結婚式にも来なくてもやっぱり弟を応援。旦那より弟。一変し、ヴォルフガングに父の死を告げる死神に様な雰囲気はスゴイ。しかも無表情。二人のデュエットは特に素晴らしかった。過去の音源から観る限り物凄く巧くなっています。アイドルから見事に実力ミュージカル女優進化したなぁ。『終わりのない音楽』をしっとり感情を込めて歌う姿に思わず泣きそうになる。今回のヒロインは間違いなく彼女だ!!!レオポルト(モーツァルトの父) 市村 正親結婚、息子誕生以降観るたびに演技が優しくなる気がする。きっとお幸せなのねえ。終始控えめの演技でもにじみ出る威厳がすごい。でももう少し深い演技でも良かったのでは?佇むだけでも演技が出来る、抜群の安定感と存在感。高橋由美子とデュエットは秀逸。泣けてくる位。でも以前の演技の方がレオポルトの厳しさが出ている気がするのですが、優しくなりすぎたのでは?あと仮面は市村ファントムすぎるwwwwレオポルトはあんなにカッコ良いわけがない。笑いどころでしょうか?ヴォルフガングの才能を見つけ育て愛す。愛していたのはヴォルフガングか音楽の才能か?息子の才能を生かすために金と時間と人生を使って教育し、プロデュースしようとするがことごとく失敗。神童モーツアルトの影を愛し、それを至高のものとし、家族の幸せをそれに重ねて夢を見た。未来は諦めたと言いながら、息子を通して世界を見るともいう。ナンネールと同様過去の栄光を忘れられない。息子の為に何かしなければならないという焦燥感。子離れ出来ない親、息子への精神的依存が息子を苦しめる。ヴァルトシュテッテン男爵夫人 涼風真世マリーアントワネット的気高さが半端ない涼風男爵夫人。高貴過ぎる、麗しすぎる。関係ありませんがモーツアルトが幼き日に結婚を申し込んだのはヨーロッパを治めるハプスブルグ家の頂点のマリアテレジアの娘、マリーアントワネットでしたねwwすごいな神童アマデウス・モーツアルト。普通の感覚じゃじゃないというエピソードですよね。さて、ヴァルトシュテッテン男爵夫人ですが、実は二つのキャラクターの顔があると思うのです。一つは、モーツアルトの才能をプロデュースしようとする音楽の才能を愛する宮廷貴族。パーティー等のシーンで派手な色のドレスを着ている姿です。彼女は、モーツアルトの才能を愛しているので人々にその才能を見せるためには努力しますが、彼自身には興味が無いので、どんな生活をしていようが、父と揉めていようが無関係です。フィガロの結婚公演後わざわざウィーンに来たレオポルトとヴォルフガングの仲を取り持たないのは彼女にメリットが無いためです。余計なプロデューサーは要らないのですから。宮廷を巧く渡る策略家である男爵夫人はコロレド大司教とも通じ、ヴォルフガングの姿を冷たく笑います。才能の無駄使いを蔑むように。もう一つは、ヴォルフガングが男爵夫人に感じる母性としての姿。つまり想像の人。才能を認め理解してくれていると思われる姿です。彼女はヴォルフガングの妄想の中で、白い派手で美しいドレスを着て彼の才能を称え優しく笑います。全てはヴォルフガングの為だとでも言わんばかりに。ナンネールが父の死を告げる直前、夢で父との和解を妨害するのも彼女ですね。物語の進行上、この二つのキャラクターが交互に出てきます。真逆とも思えるキャラクターを同時に違和感なく素敵に演じているためか、涼風さんとしてはなんとなく中途半端な音域で歌っている気がします。全体で歌う時はいつもの華やかな声が聞こえてきますから演出でしょうか。でももっと低音ならカッコよく、高音なら華やかに歌うことが出来るだろうにと言った印象。歌いこなせてはいるんですけど、製作発表ほど伸びやかには歌っていないのです。(あれはカッコ良い)香寿さんは優しく、涼風さんは突きつけるような華やかさで、あの歌のように演技したらより魅力的な役になるのでは?そんな演出で観たかった!『人は忘れる』でかなり抑え目に歌っていたので如何したのだろうと思っていたら、『星から降る金』の2番以降はグンと素敵になったので演出かもしれない。2幕の星金は素敵すぎてもう神なんじゃないかと思った。個人的には紫のドレスと白と金刺繍のキラキラドレス姿が好きですがあのカツラと地味化粧は似合わない気がするのです。もっと派手メイクでいいじゃないか!全体的に言えることなのですが、メイクがのっぺりしていて見栄えがしないのが残念。衣装は素敵なのに。派手なドレスでスタスタと歩き、華やかにパーティーを彩る姿はさすがとしか言いようのない高貴さ。眼福。一露男爵夫人とは同じキャラクタとは思えない。これ全然音域色々足りてないし。台無しだなぁ。涼風版の星金出して欲しい。けどhiroが居るから無理かなあ?コロレド大司教 山口祐一郎やっぱり山口さんにはこっちがハマり役だよ。パイレートみたいな役は無理だよと声を大にして言いたい。前半で翻す長いマントのカッコよさったらないね。あれは技はだろう!でもお笑い担当?モーツアルトの才能と音楽を誰よりも愛して、恋い焦がれているのは間違いなく彼。ヴォルフガングの奔放さを許せないが、それでも理解しようとし教育しようとする。雇ったり罷免したり、聖職者でありながら激しく葛藤します。その姿はまるで瞬間湯沸かし器のよう。ヴォルフガングの為にウィーンに行きもします。あの馬車のシーンはいいですね。可愛い。『神よ、何故許される』はコロレドの葛藤と権力が良く表れていますよね。以前から思っていたのですが、山口さんの歌い方は最初に感情をこめて最後が早口の言いっぱなしなことが多いでなんとなく雑に感じるのです。それが好きな人もいるのでしょうが。若い方時の方が良かった?エマヌエル・シカネーダーー 吉野 圭吾この物語で一番幸せな人。楽しそうに生きている姿が素敵。初登場からしてお笑い担当。ダンスのステップも歌も軽やかで四季の加藤敬二を思い起こさせます。史実上、モーツアルトは父のプロデュースのせいか貴族に向けて音楽を作り出し同じ宮廷音楽家のサリエルに叩かれて才能を認められながらも大成功しないのですがヴェーバー家といい才能ある人脈には恵まれていたようですね。セシリア・ウェーバー(コンスタンツェの母)の阿知波悟美の演技は物凄くいいですね。お江戸でござるに出てた方なんですね。見覚えがあるような。舞台ミュージカルはあまり出ていないようですが演技力を生かしてもっと出て欲しいなぁ。2部はのhiroの為か、急にマイク音量が上がってビックリしました。山口さんは音が割れぎみになっていたし。ちょっと大きすぎです。帝劇のスピーカーはそこまで良くはないのですから。(最近行った中で一番スピーカーが良かったのはキャノンキャッツシアター)ラヴストーリーが堪能出来ないせいかどうもフィナーレへの盛り上がりに欠けるのです。ヴォルフガングの成長を見守っていた■姐は盛り上がりを感じていたようなので一応あったみたいです。でも井上君があっさり歌いすぎていたせいもあると思う。カーテンコールの後楽しげに出てきた井上君を見て『さすがプリンス、おばさま方の心を鷲掴みにする気満々だな』と思ったのは秘密です。ほんと、可愛かったですよ。長くなりすぎましたね。それだけモーツァルト!が好きということでしょう。楽曲も良いのでまた観たいミュージカルです。次は1階で見れたらいいなぁ三部作の公演で、エリザベートは観ませんでしたが、涼風ダンヴァースの圧倒的な存在感によりレベッカが一番楽しめました。う~~む。やはりミュージカル楽しい。観劇仲間募集中。
[2回]